こんにちは。足利市の工務店、福富住宅の髙橋です。
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週に一度、現場に撮影に行っている私ですが、家づくりには想像以上に工程があり、見えない部分ほど丁寧なしごとこんにちは。足利市の工務店、福富住宅の髙橋です。
週に一度、現場に撮影に行っている私ですが、家づくりには想像以上に工程があり、見えない部分ほど丁寧な仕事が詰まっていると感じています。
私もまだまだ勉強中の身ではありますが、工事の様子を紹介しながら、実際に現場で感じたことや、福富住宅の工事中のチェックポイントや、家づくりに対する想いなども皆さんにお伝えできればと思います。
【目次】
3.コンクリート圧縮強度試験|“見えない品質”を数値で確認する
1.はじめに|コンクリート打設とはなにか
今回の記事では、コンクリート打設と言って、基礎となるコンクリートを流し込む作業をご紹介します。
完成後には見えなくなってしまう部分ですが、実は家づくり全体の品質を左右する大切な工程です。
▶コンクリート打設ってなに?
「コンクリート打設」というのは、家の土台や道路などをつくるときに、液体のようなどろどろとしたコンクリートを型に流し込んで、固める作業のことです。
「打設」の「打つ」は、昔は棒でトントン叩いて空気を出したことからきています。
今は、機械を使って空気を抜いています。

2.コンクリート打設|ベースから立ち上がり
配筋検査に合格すると、いよいよ基礎工事の仕上げともいえる「コンクリート打設」に進みます。
福富住宅では、「ベタ基礎」を採用しており、底全体がコンクリートに覆われる構造です。
この施工方法は、地面全体で建物を支えるため、不同沈下に強く、耐震性・耐久性にも優れています。
コンクリート打設は、一度ですべて終わるわけではなく、「ベース」と「立ち上がり」の2段階で行います。
▶ベース打設(底部分)
まずは、基礎の底部分(床にあたるところ)にコンクリートを流し込みます。
1.ミキサー車で工場から運ばれた生コンクリートが到着。
2.ポンプ車を使って、型枠内へコンクリートを流す。
3.振動機で振動を与え、コンクリートの空気を抜いて、強固なコンクリートとします。
◎ポイント
・コンクリートの中に含まれる空気を抜く
コンクリートを型に流すとき、見えない空気の泡が入ってしまいます。
空気が残ると、「ジャンカ」と呼ばれる空洞やすき間ができ、基礎が弱くなってしまいます。
専用の機械で振動を与えることで、空気の泡が抜け、コンクリートをすき間なく施工することができます。

・表面を整える
振動させ空気を抜いたら、さらに表面はトンボと呼ばれる道具で、きれいに水平に整えていきます。
細かいところはコテなども使い整えていきます。
▶立ち上がり打設(壁部分)
ベースがしっかり固まったら、次は基礎の壁にあたる「立ち上がり」部分を施工します。
1.型枠(かたわく)という、木や金属の箱を組み立てる
2.型枠にコンクリートを流し込む
3.高さや垂直精度はレーザー水準器などを用いて細かく確認
◎ポイント
・型枠の精度
コンクリートを流し込む「型枠」がずれていると、立ち上がり部分が曲がったり、太さが変わってしまい、計算通りの強さが確保できなくなってしまいます。
また、位置・寸法・直角・水平を正しく確認することも大切です。
・アンカーボルト・ホールドダウン金物の設置
後で、柱や土台をしっかり固定するための金物を、コンクリートを流し込む前に正しい位置にセットします。
図面通りの位置と高さを守ることが重要です。
・コンクリートの打設と締固め
コンクリートを型枠に流し込んだら、ベースと同様に専用の機械で振動を与えて空気を抜き、すき間なく施工することが必要。
・レベル管理
立ち上がりの天端(てんば=一番上の水平面)は、後で土台を敷く基準になります。
レベルをそろえて施工することが重要です。


▶養生期間
コンクリートは流してすぐに固まるものではありません。
強度を発揮するためには、一定期間じっくりと固める「養生」が必要です。
◎ポイント
・季節や環境に応じて養生方法や期間を変える。
夏場→乾燥しすぎると表面にひび割れが出るため、水を撒いて湿らす。
冬場→気温が低いと固まるのが遅れるため、シート等で凍結を防ぎます。

3.コンクリート圧縮強度試験|“見えない品質”を数値で確認する
基礎が完成した時、見た目ではきれいに仕上がっているように見えます。
しかし、その内部が本当に設計通りの強度を持っているかどうかは、外からだけでは判断できません。
そこで必要なのが、「コンクリート圧縮強度試験」です。
この試験では、見えない品質を数値で確認するための需要な検査であり、家づくりの安心を裏付けるデータとなります。

▶コンクリート圧縮強度試験の流れ

1.テストピース採取
コンクリートを打設する際、現場で円柱形の容器に同じコンクリートを採取します。
これを「テストピース」と呼びます。
現場で実際に使用した生コンで作るため、実際の基礎と同じ品質を確認できます。
2.養生
採取したテストピースは、一定期間養生し硬化させます。
3.検査機関での試験
養生期間を終えたテストピースは、圧縮試験機で加圧し、強度試験を行います。
上から力をかけて破壊し、どれだけの圧力に耐えられるかを測定します。
▶強度はどのように判断するのか
試験の結果は、「N/mm²(ニュートン・毎平方ミリメートル)」という単位で表されます。
例えば、設計強度が24N/mm²であれば、一平方ミリメートルあたり24ニュートンの力に耐えられることを意味するので、数値が大きい方がより強いコンクリートという意味をあらわします。
この数値が設計値を満たしていれば合格です。
▶なぜこの試験が大切なのか?
コンクリートは、打設時の温度・湿度・練り合わせ具合・施工精度などさまざまな条件で品質が変化します。
もし条件が悪ければ、設計通りの強度が出ない可能性もあります。
圧縮強度試験を行うことで、「現場で使ったコンクリートが本当に設計通りの強さを持っているか」を客観的なデータで証明することができ、耐震等級3の強固な基礎を確認することが可能です。
▶品質保証としての役割
この試験の結果は、お施主様への安心材料としても非常に大切です。「見えない部分だからこそ、数字で確認できる」という事は、家づくりにおける信頼性を高めると考えられます。
そのため福富住宅では、この検査結果を記録し、品質管理の一環として残しています。
4.ネクストステージによる監査
福富住宅では、「見えない部分こそ徹底して品質を確保する」という方針のもと、自社による検査だけではなく、第三者監査機関「ネクストステージ」によるダブルチェック体制を導入しています。
ネクストステージは、住宅品質のプロフェッショナル集団であり、施工した工務店の立場に偏らない、公正な目線で現場を確認します。
そのため、お施主様にとっても「本当に大丈夫か」という不安を取り除く、強い安心材料になるとお考えています。

▶基礎出来型監査|完成した基礎の仕上がりを評価
コンクリート打設が完了し、型枠が外された後には、「基礎出来型監査」が行われます。
子の監査では、完成した基礎の仕上がりが設計通りかを徹底的に確認します。
◎ポイント
・基礎の立ち上がりの幅・高さ・水平精度
・アンカーボルトの位置・本数(後の構造体を正確に固定するための重要な要素)
・型枠後のバリ・ジャンカ(すき間)・欠けがないか
・コンクリートの表面状態に異常がないか
これらの結果は写真やチェックシートとして記録され、見える証拠としてお客様にお渡ししています。
見えなくなる部分こそ記録を残すことで、確実な施工と将来の安心につながると考えています。
▶ダブルチェックが生む安心
ネクストステージによる監査で、自社チェック+第三者チェックという二重の品質管理。
この体制があることで、基礎工事の完成すると見えなくなる部分に客観的なチェックによる安心がプラスされます。
完成した基礎は一見きれいに見えても、その内部や精度は見ただけではわかりません。
しかしこの監査があるからこそ、「見えない品質」をお施主様に確かなものとして届けることができるのです。
5.まとめ|現場で感じたこと
現場に行くたびに実感するのは、家づくりは決して一人ではできないという事です。
例えば基礎工事一つとっても、
・生コンクリートを運ぶミキサー車の運転手さん
・ポンプ車を操作する人
・ホースでコンクリートを流し込む人
・トンボでならす人
・振動機でコンクリートの空気を抜く人
・コテで丁寧に表面を仕上げる人
と、一つの高手の中に多くの役割があり、それぞれの技術と連携によって家が形づくられていきます。
まさに、家づくりはチームプレーなのだと感じました。
また、見た目ではわからないコンクリートの強度についても、テストピースを使って実際に圧縮強度試験を行い、きちんと数値で確認する大切さを知りました。
これは、一般的な住宅ではあまり行われていないケースも多く、福富住宅が「確かな品質」に本気で向き合っていることが、こうした細かい品質管理からも伝わってきました。
完成後には見えなくなる基礎だからこそ、丁寧に、確実に、そして安心を数値でも証明する家づくり。
この現場を通して、「見えない部分にこそ本当の安心が詰まっている」ということを、多くの方に伝えていきたいと感じました。
たくさんの人の技術があってこそお客様が安心・安全に暮らしていける家ができあがると感じています。
6.次回予告|上棟と構造編に続きます
コンクリート打設が終了したら、足場が組まれて上棟へと進みます。
福富住宅の上棟の様子なども触れていきたいと思っていますのでお楽しみに。
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