足利市の工務店、福富住宅の「ママ建築士」春山です。
「この家、本当に建ててよかった」——そう思える家づくりをしていますか?
近年、猛暑や異常気象が日常になり、気候変動は私たちの暮らしに直結する問題になっています。そんな中で今、注目されているのが「環境にやさしい家づくり」。
でも、自然素材=エコ住宅、太陽光が載っている=省エネ住宅と思い込んでいませんか?
実は、本当に地球と家族の未来を守る家は、“目に見えない性能”で決まります。
・なぜ住宅がCO₂を出すのか
・失敗しないための環境性能の見極め方
・子どもと暮らしながら学べる家とは
などを、その①・その②・その③の3本立てでわかりやすくご紹介します。
「後悔しない家づくりをしたい」「ZEH住宅の違いが気になる」「家を建てるなら地球にやさしい家にしたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
1. 地球にやさしい家とは?その定義と誤解
└ 「自然素材=エコ」は誤解?見た目ではわからない“本当の性能”とは
2. 気候変動と住宅の深い関係
└ 異常気象の背景と、家庭からのCO₂排出がもたらす影響
1. 地球にやさしい家とは? その定義と誤解
「失敗したくない!」人がまず知るべき“環境に配慮した家”の本当の話
「せっかく家を建てるなら、絶対に後悔したくない」
この気持ちは、家づくりを始めた多くの方が抱える“本音”だと思います。
一生に一度あるかないかのマイホーム計画。
誰だって「納得のいく選択をしたい」「間違いたくない」と考えるはずです。
しかし、そんな思いとは裏腹に、住んでから「想像と違った…」「もっと性能にこだわっておけばよかった…」と後悔する声が後を絶ちません。
なかでもよくあるのが、「環境にやさしいと思って建てた家が、実はエネルギー効率の悪い家だった」というケースです。
「地球にやさしい家」=自然素材の家?という誤解
「自然素材」「木のぬくもり」「ナチュラルな外観」……。
なんとなく「環境にやさしそう」と思われがちな要素たち。
もちろん、こうした自然由来の素材やデザインはとても大切です。
ですが、それだけでは“地球にやさしい”とは言い切れないのが現実です。
環境に配慮した家とは、本来こう定義されます。
「住んでからのエネルギー消費をできるだけ抑え、CO₂排出量を最小限にできる家」
つまり、家の本当の“環境性能”は、外からは見えない断熱性や気密性などの基本性能にかかっているのです。
よくある失敗:見た目重視で「夏は暑く、冬は寒い家」に…
「無垢の木をふんだんに使ったナチュラルな家に住みたい」
「デザイン性のあるおしゃれな空間に憧れる」
そんな思いから施工会社を選んだ結果——
「2階がサウナのように暑くて、夜も眠れない」 「エアコンを1日中つけっぱなし」 「冬は朝がつらくて、布団から出られない」 「光熱費が想定より高くついた」 |
こうした声は、断熱性・気密性といった“目に見えない性能”を軽視してしまった結果、あとから後悔している方のリアルな体験です。
「性能の高い家」は、見えない部分で“確実に違いが出る”
環境性能が高い家は、日々の暮らしの快適さを大きく左右します。
たとえば福富住宅では、UA値0.34を標準としています。
これは、ZEH(ゼロエネルギーハウス)の基準であるUA値0.60よりもはるかに厳しい数値で、トップクラスの断熱性能を誇ります。
この数値がもたらすものは、単なる“データ”ではありません。
夏:直射日光を入れない工夫で、家の中は涼しく、エアコンが効きやすい 冬:朝晩の寒暖差がゆるやかで、暖房の立ち上がりが早い ・どの部屋に行っても温度差が少ない ・結露やカビが発生しにくく、家族の健康を守れる |
こうした“目には見えないけれど確実に体感できる”快適性が、毎日の暮らしを支えてくれます。
【モデルケースで比較】一般的な家とUA値0.34の高性能住宅の違い
ここでは、「延べ床面積30坪・4人家族(夫婦+子ども2人)」という一般的な家庭を想定し、
同じ地域(6地域:栃木県・群馬県など)の気候条件のもとで、一般的な家と福富住宅のような高断熱・高気密住宅(UA値0.34)とを比較してみましょう。
延べ床面積:約100㎡(約30坪)
家族構成:夫婦+子ども2人の4人家族
地域:6地域(栃木県・群馬県など)
冷暖房方式:一般的な壁掛けエアコン
給湯:エコキュート
電気契約:従量電灯プラン
電力CO₂排出係数:0.37kg-CO₂/kWh(環境省令和4年度)
冷暖房使用時間:1日平均8時間(夏季・冬季)
このように、性能の違いは、光熱費・快適性・健康・資産性といったあらゆる面に影響します。
「最初にかけるコスト」ではなく、「暮らし続けた後に得られる価値」で考えることが、後悔しない家づくりのポイントです。
家族の未来を守る選択=“本当の地球にやさしい家”
ここであらためて、「地球にやさしい家とは何か?」を考えてみましょう。
■ 使うエネルギーを抑えてCO₂排出を減らす ■ 暮らしやすく健康にも良い ■ 資産価値が長く保たれる ■ 子どもにも「環境にいい暮らし方」を自然と教えられる |
福富住宅では、こうした家を“未来を守る家”と考えています。
「せっかく建てるなら、後悔しない家にしたい」
「性能とデザイン、どちらもあきらめたくない」
そう思う方にこそ、“本当の意味で地球にやさしい家づくり”を知っていただきたいのです。
【1章を要約|「環境にやさしい家」の第一歩】
✔ UA値0.34の高性能住宅なら、快適・健康・省エネを同時に実現。
✔ 後悔しない家づくりには、性能への理解が第一歩。
「環境にやさしい家」は、見た目だけでは判断できない。
そう気づいた方に、もう一歩深く考えていただきたいのが——
そもそも、なぜ住宅が“環境にやさしくあるべき”なのか。
次章では、気候変動と住宅の密接な関係について、暮らしに身近な視点から掘り下げていきます。
2. 気候変動と住宅の深い関係
― 異常気象の正体と、“家づくり”が環境に与える意外な影響
ここ数年、こんなことを感じたことはありませんか?
・夏が異常に長く、暑すぎて外に出るのもつらい ・夕立のような短時間の豪雨が、頻繁に起こる ・春や秋が短くなり、季節の移り変わりがわかりにくい ・冬は冷え込みが厳しく、ヒートショックが心配 |
これらの現象は、単なる「気象の気まぐれ」ではありません。
地球全体で進行している“気候変動”の影響なのです。
気候変動とは?——温室効果ガスと人の暮らしの関係
気候変動とは、地球の平均気温が長期的に上昇している現象のこと。
原因とされているのは、温室効果ガス(とくにCO₂)の増加です。
このガスは、太陽の熱を地球に閉じ込める性質があり、増えすぎると地球全体が“ほんの数度”温かくなる——
それだけで、あらゆるバランスが崩れ始めます。
たとえば
・極地の氷が溶けて海面が上昇 ・異常気象(熱波・干ばつ・豪雨)の増加 ・食料危機、生態系の変化 ・子どもや高齢者にとって危険な暑さ・寒さ |
つまりこれは、遠い国の話ではなく、日本の、そして私たちの暮らしに直結する問題なのです。
実は「住宅」もCO₂を出している
ここで意外に思われるかもしれませんが、
家庭(とくに住宅)も、CO₂排出の大きな原因になっています。
日本の家庭部門のCO₂排出量は、全体の約15%(2021年度 )。
※出典:環境省「日本の温室効果ガス排出量(確報値)」(令和4年度)、および国立環境研究所「温室効果ガスインベントリ報告書」より
さらにその中で「住宅からの排出」は、冷暖房や給湯などのエネルギー使用が大部分を占めています。
つまり、住宅の断熱性能や設備の選び方次第で、CO₂排出量は大きく変わるのです。
気候変動は「家づくり」と無関係ではない
「気候変動」というと、産業界や自動車の問題のように感じがちです。
でも、家族が過ごす“たった一軒の家”からでも、CO₂は出ています。
・断熱性が低い→冷暖房にエネルギーがかかる ・窓の性能が悪い→室温が安定せず、空調効率が落ちる ・給湯器が古い→燃費効率が悪く、CO₂排出が多い |
このように、“ふつうの暮らし”が、じつは地球に負担をかけているのです。
逆に言えば、「省エネ性能の高い家」を建てるだけで、未来の地球環境に貢献できるということです。
“今”の選択が、10年後の暮らしと地球を変える
気候変動に関する国際的な会議(COP)では、「世界の平均気温上昇を1.5℃未満に抑える」という目標が掲げられています。
その実現には、2050年までにカーボンニュートラル(CO₂実質ゼロ)を達成する必要があります。
そのために重要視されているのが、「住宅の省エネ化」です。
日本でも、住宅の断熱性能の基準を段階的に引き上げており、2025年には全ての新築住宅に省エネ基準の適合が義務化されました。
つまり——
「どんな性能の家を建てるか」 「どの会社に任せるか」 |
という、家を建てる今の判断が10年後・20年後の地球の状態に直結するということ。
「快適さ」も「環境への配慮」も、どちらもあきらめない家づくりへ
福富住宅では、「高断熱・高気密」は当然のスタートラインと考えています。
・UA値0.34(ZEH基準の約1.7倍の性能) ・高性能サッシ+トリプルガラスの採用 ・パッシブ設計で自然の力を活かす家づくり ・太陽光発電やおひさまエコキュートなど、再エネ設備導入のご提案 |
これらの取り組みは、「地球にやさしい家づくり」であると同時に、
「光熱費が抑えられ、季節問わず快適に暮らせる家」という、住まう人にとっても大きなメリットとなります。
|家づくりは“気候変動対策”でもある
気候変動の問題は、何か特別なことをしないと解決できないと思われがちです。
けれど、「今から建てる家を、環境性能の高い家にする」——それも立派な対策です。
毎日の暮らしの中で、
・無駄なエネルギーを使わない ・長く快適に住み続けられる家をつくる ・子どもたちの「選ぶ力」「知る力」を育む |
これらが、未来の地球を守る大きな一歩になります。
家づくりを通じて、家族の健康と地球の未来を守る。
そんな選択をする人が、一人でも増えてほしいと私たちは願っています。
【2章を要約|ちょっと待って!家づくりと気候変動、こんなに関係してた!】
✔ 家庭からのCO₂排出は日本全体の15%を占める。
✔ 住宅性能の選択が、未来の地球を左右する。
「家を建てるだけで、未来の地球を守る行動になる」
これは理想論ではなく、今や世界中で求められている現実的な選択肢です。
「環境にやさしい家づくり完全ガイド その②|高断熱住宅で光熱費を大幅削減」へつづきます。
「実際どれくらい差が出るの?」という気になるところを、わかりやすいデータでご紹介します。
家の性能が変わると、CO₂排出量も、光熱費も、暮らし方まで変わってくるんです。お楽しみに!
気候変動やSDGsなどに出てくる用語を解説している記事もございます。
ぜひ、お子さまと一緒にご一読ください。
「子どもと学ぶ地球の未来」
「カーボンニュートラル」に取り組んでいます!
こちらもご一読ください。
「とちぎカーボンニュートラル15アクション県民運動」