
こんにちは!
足利市の工務店、
福富住宅で働くママ建築士の春山です。
最近、
「パッシブデザイン」
「自然の力を活かした家づくり」という言葉、
いろんなハウスメーカーや工務店のサイトでよく目にするようになりましたよね。
栃木県、足利市でも、そういった言葉を掲げる会社が増えてきた印象があります。
でも正直なところ……見ている側からすると、
「これ、本当にパッシブデザインできてるの?」って思うことが、たまにあるんです。
会社のホームページに書いてある言葉だけじゃわかりにくい。
でも実は、
施工事例の写真を見るだけで、ある程度わかっちゃいます。
難しい専門知識はいりません。
今日はそのチェックポイントをこっそりお伝えします。
\もくじ/
そもそも
「パッシブデザイン」って何?
工務店選びで知っておきたい基礎知識

念のためざっくりおさらいすると——
パッシブデザインとは、
「建物の形・向き・窓の配置などを工夫して、
太陽の光・熱・風など自然のエネルギーを上手に使う設計手法」のことです。
夏は日差しを適度に遮って涼しく、
冬は日差しをたっぷり取り込んで暖かく——
そういう暮らしを、エアコンや暖房に頼りすぎずに実現しようという考え方です。
言葉にすると当たり前のようですが、
これがちゃんとできている家は、実は意外と少なかったりします。
「うちはパッシブデザインを採用しています」と
ホームページに書いてある会社でも、
施工事例を見ると「んー、本当に?」となるケースも正直あります。
そこで役に立つのが、
施工事例のチェックポイントです。
施工事例の写真で見るべき
4つのポイント

その会社のホームページにある
「施工事例」「建築実例」のページを開いて、
外観写真を眺めてみてください。
以下のポイントを意識するだけで、だいぶ見えてきます。
1.軒・庇の設計がされているか

パッシブデザインでいちばん基本中の基本が、
「軒(のき)・庇(ひさし)の設計」です。
◆ 軒・庇のしくみ
夏の太陽は高い位置にある
→ 軒・庇が十分に出ていると、窓に直射日光が入りにくくなる
冬の太陽は低い位置にある
→ 同じ軒でも、日差しはちゃんと室内に届く
つまり、
軒・庇の長さを適切に計算して設計するだけで、
「夏は遮り・冬は取り込む」という効果が自然に生まれるんです。
昔の日本家屋が深い軒を持っていたのは、
実はとても理にかなっていました。
では、
施工事例を見たときに何をチェックするか?
軒がほとんどない、
または極端に短い外観が多い会社は、
「夏の日差しをどう扱うか」という視点が薄い可能性があります。
箱型のスタイリッシュなデザインはおしゃれで素敵なんですが、
軒ゼロに近いデザインが全棟並んでいると、「夏、暑くないのかな」と少し気になります。
南面の窓に対して、
軒・庇がきちんと設けられているか——
一つの目安として見てみてください。
ちなみに福富住宅では、
「STEP4. 軒・庇の設計」を設計プロセスの中に明確に組み込んでいます。
庇の出寸法は、
土地ごとの太陽高度シミュレーションに基づいて計算した上で決定しています。
施工事例に軒・庇が自然と登場するのは、それが設計の一部だからです。
2.スタイルシェードや庇などの
日よけが使われているか

軒だけでは補いにくい西日・東日の対策として活躍するのが、
スタイルシェードなどの外付け日よけです。
スタイルシェードはLIXILが出している外付けのロールスクリーン型日よけで、
窓の外側から日差しをブロックできます。
室内のカーテンと違って「熱がガラスを通る前に遮れる」のが大きなポイント。
パッシブデザインをきちんと考えている会社の施工事例には、
こういった日よけが自然に登場することが多いです。
逆に、
全棟の外観写真を見ても日よけの類が一切出てこない場合……
「夏の強い日差しはどうするんだろう?」と思ってしまいます。
「エアコンで何とかする前提かな」
「日よけのことを考えていない設計かな」——
そういう目線で見ると、
会社の考え方の差が見えてきます。
3.窓の大きさ・位置が
方角を意識しているか

パッシブデザインでは、
「どの方角に、どんなサイズの窓を置くか」がとても重要です。
◆ 方角と窓の基本の考え方
南面 → 冬の日差しを取り込むために大きめの窓を
北面・西面 → 熱損失や西日を抑えるために小さめの窓を
施工事例の外観写真で、
北側や西側の面に大きな窓が並んでいたり、
方角をまったく考慮していないランダムな配置が目立つ場合——
デザイン優先でパッシブデザインの視点が薄いかもしれません。
「おしゃれだけどなんか暑そう・寒そう」という感覚、
実はかなり正直な直感です(笑)。
本物のパッシブデザインは、土地ごとに窓の配置が変わります。
「この土地の、この向きだから、この窓サイズ」という根拠があるかどうか。
それが、なんとなくパッシブとちゃんとパッシブの大きな差です。
4.設計のプロセスが
説明されているか

これは写真よりも「文章」のチェックです。
会社のホームページや施工事例のキャプションを読んでみてください。
「パッシブデザイン採用」
「自然の力を活かした家づくり」という言葉はあっても、
設計のプロセスが具体的に書かれているかどうかを確認してみてください。
◆ 設計プロセスの説明がある例
たとえば、こんな記述があるかどうか——
「土地の太陽高度を測定・シミュレーションして設計する」
「配置計画 → 窓の計画 → 軒・庇の設計という手順で進める」
「日射取得と日射遮蔽を、土地ごとに計算している」
「なんとなくパッシブっぽい」と「ちゃんとパッシブデザイン」の差は、
こういうプロセスへの言及があるかどうかに出てきます。
数値(何cmとか何度とか)が出てくるかどうかよりも、
「どういう考え方の順番で設計しているか」が語られているかどうか。
そちらの方が、本質的なバロメーターになります。
5.まとめ

パッシブデザインを謳っている会社を比べるとき、
カタログやキャッチコピーだけを見ていてもなかなかわかりません。
でも施工事例の写真や、会社の設計に関するページは、
「実際にどういう家を建ててきたか」
「どういう思想で設計しているか」をそのまま見せてくれる場所です。
ここにこそ、会社の本音が出ます。
今日のチェックポイントをまとめると——
◆ 施工事例チェックリスト
✅ 軒・庇がきちんと設計されているか
✅ スタイルシェードや庇など、夏の日よけが使われているか
✅ 窓の大きさ・位置が方角を意識した配置になっているか
✅ 設計のプロセス(土地を読む→配置→窓→軒庇)が説明されているか
もちろん、
これだけで全てがわかるわけではありません。
デザインのテイストや敷地の向きによって、
やむを得ないケースもあります。
でも「なんとなくいいな」で終わらせず、
こういう視点でちょっと見てみると——
各社の考え方の差が見えてきて、面白いですよ。
「うちの場合、どうすればいい?」という具体的なご相談も、
ぜひ気軽にどうぞ。
パッシブデザインのこと、軒・窓・日よけのこと、
家づくり全体のこと——
難しいことをそのまま難しくお伝えするつもりはなくて、
「で、うちはどうしたらいいんだろう」というところまで
一緒に考えたいと思っています。
足利市・佐野市・太田市・館林市など
栃木県・群馬県でお家を検討中の方も、
ぜひお気軽にどうぞ。
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