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環境にやさしい家づくり完全ガイド その②|高断熱住宅で光熱費を大幅削減

公開日:2025/07/11(金) 更新日:2025/07/11(金) ママ建築士スタッフブログ

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足利市の工務店、福富住宅の「ママ建築士」春山です。

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多くの方が、家を建てるときに「おしゃれさ」や「間取り」ばかりに目が向きがちですが、
実は“見えない性能”——とくに断熱・気密性能が、暮らしの快適さ・健康・光熱費、そして地球環境にまで大きく影響していることを、まだ知らない方がたくさんいます。

 

このブログでは、

 ✔ なぜ環境にやさしい家づくりが必要なのか
 ✔ 住宅性能がCO₂や気候変動とどう関係しているのか
 ✔ 性能にこだわることで、家族にも地球にも“やさしい暮らし”が実現できること

を、家づくり初心者でもわかりやすく伝えることを目的としています。

 

「もっと早く知っていればよかった」という声をこれ以上聞かないために。
このブログが、後悔のない家づくりの第一歩となれば幸いです。

 

前回の記事はこちら
環境にやさしい家づくり完全ガイド その①|高断熱住宅で光熱費を大幅削減

 

 

 

 

【目 次】
3.  住宅が排出するCO₂、その実態とは
 └ 暮らすだけでCO₂が出る?断熱性能と光熱費のリアルな関係
4.  環境にやさしい家づくり5つのポイント
 └ 高断熱・高気密・パッシブ設計…後悔しないためのチェックリスト

 

 

 

3.    住宅が排出するCO₂、その実態とは

 

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―「たった一軒の家」から出る見えない負荷、その量としくみ


 

「家庭のCO₂排出」と聞くと、遠い話のように感じるかもしれません。

 

しかし実は、私たちが毎日過ごしている“家”こそが、知らず知らずのうちにCO₂を排出していることをご存じでしょうか?

その量は、決して小さなものではありません。

 

 

 

 

家庭部門は、日本全体の約15%のCO₂を排出


環境省の最新データによると、日本全体の温室効果ガス排出量のうち、家庭部門の割合は約15%(2021年度)。

このうち大きな割合を占めているのが、冷暖房・給湯・家電など、日常生活に不可欠な住宅内でのエネルギー消費です。

とくに冷暖房は、建物の断熱性能が低いほどエネルギー負荷が大きくなるため、家の性能によって排出量が大きく変わります。

 

 

 

 

【比較】性能の違いでCO₂排出量はこう変わる


 

では、住宅の断熱性能によって、実際にどれくらいCO₂排出量が変わるのか。

 

下記は、延べ床面積30坪(約100㎡)、4人家族、6地域(栃木・群馬等)の標準的な住宅を想定した試算です。

 

モデルケース条件

 延べ床面積:約100㎡(約30坪)
 家族構成:夫婦+子ども2人の4人家族
 地域:6地域(栃木県・群馬県など)
 冷暖房方式:一般的な壁掛けエアコン
 エアコン使用期間:6-9月(冷房)  11-3月(暖房)  /1日平均8時間
 電力CO₂排出係数:0.37kg-CO₂/kWh(環境省令和4年度)

 

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 ■ 年間で約1.2トンのCO₂削減が可能
 これは自家用車の年間走行のCO₂発生量とほぼ同等の差になります。

 

 

 

 

「暮らすだけでCO₂を減らせる家」があるという事実


 

この差は、努力や工夫の結果ではありません。

 

家そのものが、冷暖房エネルギーを抑える高断熱・高気密設計になっているかどうか。

 

それだけで、年間1トン以上のCO₂排出を“住まい”が肩代わりしてくれるのです。

そしてこの違いは、光熱費・室温の快適さ・健康への影響にもつながります。

 

 

 

 

【比較表】一般的な家 vs. UA値0.34の高性能住宅


 

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|家づくりの選択が、CO₂排出の未来を左右する


 

住宅の性能差によって生まれるCO₂排出の違いは、
単なる「データの違い」ではなく、家族と地球の未来に直結する環境負荷の差です。

 

高性能な住宅にすることで、

 ・地球温暖化の抑制に貢献できる
 ・家計にもやさしくなる
 ・家族が健康に暮らせる

 

そんな「3つのやさしさ」を実現する家づくりが、いま求められています。

 

 

 

 

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【3章を要約|数字でわかる!“性能の違い”がCO₂に与える影響】


✔ 一般住宅と高性能住宅では、CO₂排出量に年間1トン以上の差。
✔ 「暮らすだけで減らせる」仕組みは、断熱性能で決まる。

✔ 性能は家計・健康・環境のすべてに影響する。

 

こうして見てみると、「住宅性能がCO₂排出に与える影響」は驚くほど大きいことがわかります。

 

ですが、では実際にどんな家を選べばいいのでしょうか?

 

次の章では、「環境にやさしい家づくり」を実現するために欠かせない5つの具体的なポイントをご紹介します。

「性能は気になるけど、難しいことは苦手」という方でも、チェックするだけで判断しやすくなる内容です。

 

「後悔しない家にしたい」なら、まずこの5つだけは押さえておきましょう。

 

 

 

4.    環境にやさしい家づくり5つのポイント

 

家のイメージ画像

 

―「後悔しない家」の条件は、目に見えない性能にあった


 

これまで見てきたように、「家づくり」は気候変動対策そのものとも言えます。

 

しかし、見た目や設備だけで「環境にやさしい家」はつくれません。

本当に大切なのは、毎日の暮らしで“自然と”エネルギーが抑えられる工夫が、家そのものに組み込まれているかどうか。

 

ここでは、福富住宅が考える「環境にやさしい家づくりの5つのポイント」をご紹介します。

 

 

 

 

① 高断熱・高気密で冷暖房エネルギーを最小限に


 

家づくりにおいて最も重要なのが「断熱」と「気密」です。

いくら省エネ家電を導入しても、熱が逃げやすい家では空調効率が大きく下がります

 

福富住宅では、UA値0.34(ZEH基準0.60よりはるかに上)を標準とし、さらにC値(隙間相当面積)も0.4以下の高気密を追求しています。

 

 ■  夏は熱気を遮り、冬は暖かさを逃さない
 ■  家じゅうの温度差が少なく、ヒートショックのリスクも減少
 ■  エアコンの稼働が最小限になり、CO₂も光熱費も抑えられる

この“見えない性能”こそが、環境と家計の両方にやさしい家の大前提です。

 

 

断熱について解説しています!
こちらもご一読ください。
「住まいの性能 用語解説 ~断熱&断熱性~」

 

 

 

 

② パッシブ設計で自然の力を活かす


 

環境性能をさらに高めるには、「機械に頼らず自然の力で快適に暮らす工夫」が欠かせません。

これが、パッシブ設計です。

 

具体的には

 ・南側に大きな窓を配置して、冬は太陽光で室温を上げる
 ・軒や庇、アウターシェードを活用し、夏は直射日光をカット
 ・高窓や通風経路をつくり、風が自然に通るように設計
 ・落葉樹を植えて、夏は陽射しを遮り、冬は陽射しを採り込む

 

 ■ 冷暖房に頼りすぎない、エネルギー負荷の少ない暮らしへ
 ■ 自然を感じる、五感にやさしい室内環境を実現

 

福富住宅では、地域の気候特性をふまえて、設計段階からパッシブ要素を組み込みます。

 

 

パッシブ設計についてご紹介しています!
こちらもご一読ください。
「パッシブデザイン設計についてご紹介します!」

 

 

 

 

③ 再生可能エネルギーを取り入れる


 

消費を抑える工夫に加えて、「エネルギーをつくる家」になることも、これからの時代には求められます。

代表的なのが太陽光発電+エコキュートの組み合わせです。

 

 ・太陽光で発電し、昼間の電力を自給
 ・余剰電力は蓄電して夜間に使用
 ・エコキュートは昼間の電力を活用して、効率よくお湯を沸かす

 

 ■ エネルギーの“自給自足”を実現
 ■ 電気代を大幅に削減でき、停電時の備えにも

 

福富住宅では、自家消費型の太陽光活用を重視し、ご提案を行っています。

 

 

太陽光についてもご紹介しています!
こちらもご一読ください。
「年間光熱費9万円も可能?断熱・気密・換気でつくる“本当に省エネな家”」

 

④ 長く快適に暮らせる家=サステナブルな選択


 

住宅は長く使い続けてこそ「環境負荷が少ない」と言えます。

そのためには、構造・素材・可変性に優れた“長寿命の家”であることが重要です。

 

たとえば

 ・長期優良住宅の認定取得
 ・将来のリフォームや間取り変更がしやすい設計
 ・劣化に強い構造材・断熱材の採用
 ・メンテナンスコストが少なく済む外装材

 

 ■ 「住み替え」「建て替え」といったライフサイクルCO₂の削減
 ■ 家の価値を長く保てる、資産性の高い住まいに

 

福富住宅の家は、構造・断熱・劣化対策・維持管理性など、国の厳しい基準をクリアし、長期優良住宅の基準を満たす仕様です。

 

 

長期優良住宅についてご紹介しています!
こちらもご一読ください。
「長期優良住宅のメリット&デメリット」

 

 

 

 

⑤ 家族が「環境を意識できる家」にする


 

最後に大切なのは、「家が学びの場になること」。

環境配慮は“正解を買う”ものではなく、“気づきが育つ”ものです。

 

 ・室温の変化から断熱性能のありがたさを体感
 ・カーテンや通風の調整で、暮らしのエコを体験
 ・太陽光の発電量を見て、エネルギーの仕組みに関心を持つ

 

 ■ 子どもが自然に「環境ってこういうことか」と考えられる
 ■ 家族の会話に「地球」「エコ」が自然と出てくる家になる

 

福富住宅では、こうした「暮らしながら学べる家」をスタンダードと考えています。

 

 

気候変動やSDGsなどで出てくる用語をかんたんに説明しています!
ぜひ、お子さまとご一緒にお読みください。
「子どもと学ぶ地球の未来|気候変動・SDGs用語をかんたんに説明します」

 

 

 

 

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|この5つが、“失敗しない家”をつくる環境視点


 

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これら5つのポイントを踏まえて建てられた家は、単に「エコ」なだけではありません。

 

 ・住んで快適
 ・お財布にやさしい
 ・地球にも貢献できる
 ・家族の未来を守れる

 

そんな「一生モノの価値」を備えた、本当の意味で“後悔しない家”なのです。

 

 

 

 

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【4章を要約|これだけは押さえたい!エコな家づくり5つのコツ】


 

 ✔ 環境にやさしい家は、5つの視点で見極められる。
 ✔ 性能・設計・再エネ・長寿命・家族の意識がカギ。
 ✔ “選び方”ひとつで、未来を変える住まいになる。

 

性能・設計・素材など、住まいの工夫次第で「地球にやさしく、快適に暮らせる家」は実現できます。

 

しかし本当に大切なのは、それをどう暮らしの中に活かすかです。

 

 

 

「環境にやさしい家づくりガイド その③|高断熱住宅で光熱費を大幅削減」へつづきます。

「家そのものを学びの場にする」という視点から、家族、特に子どもと一緒にできる“環境への第一歩”をご紹介します。

 

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